望月通陽展

一行の詩のために
R.M.リルケ「マルテの手記」に寄せて

会期|2021年4月17日(土)▷ 5月9日(日)
開廊時間|11:00~17:30
定休日|火曜
場所|gallery yamahon
作家在廊日|4月17日(土) 18日(日)午前中のみ

Michiaki Mochizuki
Apr. 17, – May. 9, 2021
Wednesday- Monday 11:00 – 17:30
MAP: gallery yamahon

本展では造形作家、望月通陽氏がドイツ文学の傑作と言われるR.M.リルケ著「マルテの手記」を読み解き、ガラス絵、型染などの様々な技法で表現した作品展を開催致します。望月氏が書物の世界観を感じ、表現した作品は数多く、これまでにも聖書や文学作品から氏の琴線に触れるシーンを描き続けられてきました。特に印象深い作品として1989年に制作された「ニーベルンゲンの歌」は和紙に型染めした作品を1冊にまとめられたもので、約3年という時間を費やし制作されました。本の厚みからもその情熱は感じられるほどの大作です。また1992年に出版された「宮本輝全集全14巻」の装丁は広く知られるところですが、現代小説などの書籍の装丁も多数、手掛けられています。中でも光文社の古典新訳文庫の装画は300冊を優に超え、難解な長編小説の表紙を一筆画で描き続けられています。このように望月氏の作家活動と文学は深い関わりを持ちます。今回のテーマである「マルテの手記」は散文で、71のテクストから成り立ち、その一節を選び抜いて、望月氏自ら翻訳することからも見て取れるように特別な思い入れがあるのだろうと推測できます。


この展覧会は今春まで千葉にある美術館「as it is」で開催された巡回展となりますので、ご覧になられた方も多いかと思いますが、今回、改めてこの短文から感じ取れるマルテの熱き想い「一行の詩のために」をどうぞご一読頂き、望月氏の作品と対峙し、2人の芸術家の内なる世界を体感頂けると幸いです。