本年は「生活工芸展2023作り手の言葉」と題し伊賀市内にある入交家・史跡旧崇広堂・ギャラリーやまほんの3施設を会場に、全国で活躍する65名の工芸家の作品の展示と販売をいたします。
ギャラリーやまほんが主催する生活工芸展も今年で6回目を迎えますが、今年は「作り手の言葉」と題し、作り手自作の器や道具と作り手が綴る言葉を合わせて展示いたします。作り手が普段どのようなことを考えて制作しているか、また日常の器についてどのように考えているかを感じていただく企画となっております。生活工芸は作り手自ら生活者の視点を持って生まれた工芸とも言えます。生活という言葉も「生を活かす」と言い換えることができ、生活工芸は私たちの日々を豊かに、活き活きと暮らすための手助けとして作られた道具とも言えるのではないでしょうか。社会は更なるAI時代に突入し、物質的な価値が問われる時代にあります。粘土や木を素材にした器や綿から作った布などの工芸品は一見すると時代からかけ離れた不必要なものだと考えるかも知れません。しかしながら、縄文時代から現代まで、自然素材を用いて途切れることなく続いてきた工芸品は、人間が自然の一部であることを自覚させ、豊かさとは何かという真意を問い直す道具のようにも思えます。
65名の生活工芸をどうぞご自身の生活の中で楽しんでいただけると幸いです。
gallery yamahon 山本忠臣