ロサンゼルスを拠点に制作活動を行う奥田慎一郎によるファニチャープロジェクト “WAKA WAKA”。緊張感を感じさせる角度の付け方、 ダレることない線の捉え方、 効果的で視覚的にも優れたディテールへの拘り、引きで捉えた時のバランスの美しさ。 バルティックバーチプライウッドをキャンバスとする椅子やテーブルなどの随所からは、家具を制作する以前は彫刻家を志していたという奥田の持つ彫刻的な感性が見受けられます。また文化を越えた様々な空間(作品が住宅、オフィス、 商業施設)を輝かせ人の心を引き付けてやまない理由には、独特な遊び心を感じるデザインだけではなく、素材の強度や軽量さを活かした構造や腰を掛けた時の心地良さなど、使う人の目線に立った見えないところでの心遣いも大きく関係しています。本展では WAKA WAKA の家具(住)単体での展示ではなく「何時かは日本に家を作りたい」という奥田夫妻の理想とする空間を垣間見ることが出来たらと、親交の深い“ヒムカシ” の洋服(衣)と会場である“gallery yamahon”セレクトの食器(食)を織り交ぜ衣食住と人の連がりを感じる空間をご覧いただけましたらと思います。